自叙伝は好きだ。
いつも何気なく見ていた「その人」のバックグラウンドや考え方、その歴史を追体験することができる。本当に楽しい。
(全てを本心や事実で書いていないかもしれないが。)
今回は、南海キャンディーズの山里さん。
最近は、バラエティーだけではなく、ビジネス関係にも露出を増やしていますね。
山ちゃんファンの人も、そうでない人も、
毒を吐き、落ち込み、人のせいにする山ちゃんを見ながら、
何だかんだ山ちゃんファンになってしまう一冊です。
毎度蔑まれても、毒を吐きつつ、しっかり行動に繋げる山ちゃんの凄さ。
そして、思わず素で引きまくってしまうほどの過去の相方たちへの態度の酷さ。
が際立ちますw
山ちゃんのいう「天才」とは
自分は何者かになる。そんな、ぼんやりだけど甘い夢のような特別な何かを容易に見つけられて、何者かにたどり着くため必要な労力を呼吸するようにできる人。
そんな僕は、「自分は天才じゃない」という自覚を強制的に消して、すごいところを目指さなくちゃいけなかった。「あいつには才能がない」と誰にもバレないように、天才が自然にしていることをやり遂げる必要があった。
この一文を、改めて読み返すと、
自分は天才ではない、という表現をしつつも、
「すごいところを目指さなくちゃいけなかった」という一文。
ここがすでに、他の人と違うと感じる。
なぜかというと、本書の中で、
「芸人を辞めたい」という本音の言葉が、一度も出てこない。(いや、一度だけエピソードとしては出てくるが。)
何だかんだ、進む方向はズッと一途。
金銭的な報酬をなかなか得ることが難しいお笑いという世界において、このポイントは非常に大きい。
天才と呼ばれるような人間になるための一要素だと思う。
そして、間違いなく、
山ちゃんの「準備」のラインが、めちゃくちゃ高い。
それこそ「地獄の努力」という表現の通りに、積み重ねて積み重ねて、多くの方に認められ「天才」と呼ばれる山ちゃんの言霊が生まれているんだというのを、改めて感じることができる。
山ちゃんが、他人を恨む、人のせいにする、といったことが本書では散在する。
それは、一般的には「クズ」なのかもしれないが(自分にはこんな表現はできないと思ってしまう)
そこから生み出される怨念と、熱量は、並外れている。
しっかりと喧嘩をして、しっかりとパワーを前面に出して、前に進む。
これからの、山ちゃんの更なる活躍が非常に楽しみ。
山ちゃんを見る眼が変わりますし、
本書を経て、さらに多くのことを、山ちゃんから吸収していきたい。
そして、オードリー若林さんの
最後の解説が、また文章が上手すぎてズルい。ここも必見です。